普通のことを普通にする

普通のことを普通にするために日々行う普通のことを書いていこうと思います。

体育の日の交差点とカールステン・ニコライ

渋谷のスクランブル交差点から行き交う人を眺める体育の日の朝。

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体育の日とは無縁にギャラリーを巡ったり喫茶店で勉強したりというそんな日、西武渋谷で開催中の、カールステン・ニコライ 「黒の世界」展に行ってきました。

www.sogo-seibu.jp

 

カールステンの近年の作品は西武渋谷のエントランスの柱に常設されている作品に代表されるように、色を使った作品にもトライすることが多い印象だったが、今回の展示では黒と白のコントラストに焦点を当てた作品が展示されていた。

メイン展示の回転する円盤の作品は、振動による水面のゆらぎという点では従来の作品でも繰り返し用いている着眼点であるが、今回は回転速度による遠心力の変化による水面のゆらぎを取り入れているという点があたらしいトライなのだと思われる。が、作品のことはさておき、今日のハイライトは西武のスタッフの普通さである。

 

作品の展示会場には、通常、「学芸員」や「監視員」に相当する人が部屋の端っこで椅子に座っているのことが多いが、西武渋谷の展示の監視員は、服を買いに来たかと錯覚をしてしまうほどの商品推しトークを展開する西武の説明員スタッフがいて、作品について非常に一般的な視点からの無邪気な説明をしていたことに衝撃を受けた。ここから作品を撮影するとかっこいいですよー。と斬新すぎる作品解説?をされ、、自分の中で、アート作品がアトラクションになった瞬間である。

 

アート作品を見てきている人にとっては、結構微妙な説明員の存在であるが、百貨店の催事場のコーナーの展示での説明員の意義としては、興味のない人が興味を持つきっかけになるかもしれないことを考えると、これはこれでありなのかもしれないという今日の新しい発見。

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